2019-08-24

去年が最後だった

大仏バーナイトから4日経過。
未だに鼻の傷は治らないし、まぶたも紫色のまま。パッと見ただけで「この人、怪我してる」とすぐにわかるレベル。

彼女は「私が殴ったように見えるから嫌だ」と、一緒に歩くのを嫌がったが、彼女に殴られたように見られる僕の方が嫌だ。ショッピングモールで買い物をして、その買い物袋は全部僕が持っているその姿たるや。本当は数十センチのイスから落ちて最強打しただけであって…いや、その現実の情けなさたるや。

こんなタイミングでオヤジから電話。明日からガンで入院するらしい。

「もうあまり長く生きれる気がしないからあんまり心配かけるな」
「生き方が不安定ではあるがオヤジに頼らずにずっと生きれているんだから心配するな。自分の心配してくれ」
「おまえの生き方は俺とは違いすぎて理解が出来んのだ」
「幸せに暮らしてる」

というような会話もした。
すぐにでも見舞いに行くべきだが、僕はいま殴られたような顔をしている。昔、僕の叔父さんが看護師さんと結婚して、めちゃくちゃ殴られていた。なので誤解を生みやすい環境であるし、怪我をした時の経緯の説明をしたら「なーんだ。イスから落ちて怪我をして、裸足で渋谷から帰ってきただけか。DVじゃなくて良かった」と言ってくれる可能性が1%でもあるのだろうか。


今日、オヤジは入院した。
相当悪いみたいで、母ちゃんから泣きながら電話があった。

どんな感じかを母ちゃんから聞いたまま彼女に説明して、この病状の場合の余命の最短と最長を教えてもらった。

もうすぐ僕の誕生日。毎年オヤジは一人でプレゼントを持ってきてくれていた。最初の頃は車で。最近は「運転が辛いから」と電車で。2年前の誕生日の時に、途中で下車してゲロを吐いたから、心配だと、去年は母ちゃんも付き添っていた。
長居するわけでもなく「おまえが欲しい物がこれしか分からないが、飲み過ぎるなよ」とだけ言って、ウイスキーと梨の入った紙袋を手渡してすぐに帰って行く。



まだあと数年は生きれるかも知れないが、もう無理は出来ない。



オヤジからの誕生日プレゼントは去年が最後だった。