2016-06-19

大穴

6月17日。久しぶりに渋谷でDJ。
昼3時過ぎの新幹線なので午前中は家でだらだら。

彼女とテレビを観ていたら占いランキングがやってた。僕は2位で「救世主あらわる」で、彼女(看護師)は1位で「仕事の本領発揮」だった。何かしらの示唆がハンパないので、とりあえず「なんか、ごめんね」と謝っておいた。彼女は「1位の気がしない」とわめいていた。

準備をして出発。
夕方に渋谷に着いたものの、やる事がない。まったくない。
加藤さんと合流して、下北のサムライでカレーを食べて20時。もうやる事がない。
DJ前に居酒屋は避けたいので仕方なく満喫。思いのほか刃牙にハマる。

23時。渋谷OTOへ。10分もしたらツー君が来て、1時過ぎにクボタさんも来た。
2時から3時までが僕の出番で、それはまあサクサクと時間が流れた。今日は乗り切った。
と思ったら大仏君が来た。オルガンバーをちょっとだけ抜けてきたのだそうで、もちろん、今朝の占いで言っていた「救世主」は彼ではない。

DJ中にショット飲んだりしていたのもあってか、現実から逃げようとしたのか、もはや彼の姿を見るとスイッチが切れる体質になっているのか、大仏君の顔を見た瞬間から5分と持たずに記憶が無くなった。その後、大仏くんと何を話していたのかは分からないが、大仏バーナイトへの招待が無かったことを願う。あったとしても承諾していないことを願う。初夏に大仏くんに会ったり、電話があったりすると必ずコレの予感がする。

その後は彼女を呼びつけて、ひそひそ声で「いまから秘密の企業をやるから、ナホも手伝ってくれ」と誘った。意味が分からないのでこれはもう意識飛んでると判断した彼女は詳細を聞かずに「分かった!」と快諾して僕からすっと逃げて、フロアの暗闇へ姿を隠した。あとで聞いた僕本人もそれは完璧な対応だと感心したが、結果はというと、暗闇から彼女を見つけだして「ナホのせいで儲け損なったじゃないか!」と大噴火したらしく、自分のことながら「こんな奴から逃げようがねーよ」と思った。週末の明け方に、そんな短時間で、僕は何を転がしてボロ儲けしようとしたんだろう。
あまりにしつこく怒るので外に連れ出すと、しばらく怒ったのちに倒れて終了したそうな。



僕の記憶では、大仏君の顔を見た後、パッと景色が変わって、ツー君の家で、もう次の日の昼だったが、とくに驚きはしなかった。彼女が昨日の介抱の大変さをアピってきた。まあ「救世主だったから仕方ないよね」と、苦し紛れに占いのせいにしてみたが、意外と効果があった。一緒に階段から落ちたらしく、僕も彼女も身体にはたくさんのアザがあったが、人格が入れ替わらなかったのでヨシとする。

せっかくの東京なので、ツー君夫妻と四人で浅草に行った。
まずは初の神谷バーにて電気ブラン。立ち飲みの席で四人でイッキして移動。
彼女が初と言う雷門は工事をしていて、五重塔も工事をしていた。
ハンバーグ食べて、バッティングセンター行って、ホッピー通り?という所へ。
すごいお客の量で、結構若い子もいて、浅草ってこんななんだ、良いじゃないか!と感動した。
とりあえず一通り見てから、さてどこに入りますかとなったが、どの店もぱんぱんだから無理っぽい。ヒロミちゃんが「ゲイの人がやってる大穴物語って店に行こう」と言うが、こんな調子ではおそらく座れないし「ゲイの人がやってる」という部分を推されても、じゃあそこにしよう!とはならない。そこはやめようとも思わないが、まったく響かなかった。
無理を承知で大穴物語を発見。こんなに人が溢れているホッピー通りにして、一体何が起きたんだと聞きたくなるほどにこの店だけ客がいなかった。

とりあえず座って飲み始める。63歳のゲイの人がオーナーで、50過ぎくらいのゲイの人と60以上のおばちゃんが従業員。店の中でとにかくクセの強い歌い方をしていたおじいさんはお客だった。ゲイの人ふたりとも外見は女装しないが、がっちりとオネエ口調だった。

なんだかみんな飲み始めるし、じゃんじゃん振舞ってくれるし、みんなよく笑う。
ココは下北沢で、いま平林さん達と飲んでるんじゃないかという懐かしい感覚になって、僕はこの店がめちゃくちゃ気に入った。

僕は気に入ったが、このいっぱい話しかけてくる感じ、メニューが少ない感じ、そのメニューにもさらに品切れがあるという選択肢のなさ。すでにお店の人が全員なかなか酔っている。カラオケを勧めてくる。いろいろと「これは若い人にはハードル高いだろうな」と思ったし、実際に何組か若い子達が店に入るも、メニューを聞きに行かずに僕らと飲んでたこともあり、何も頼まずに去って行った。


名古屋に戻らなきゃ行けないので、20時に店を出たが、本当はもっと居たかった。
会計が恐ろしく安くて「え?ひとり○○○円?え!四人でこれ?あんなに飲んだのに!?」と何度も聞き返した。家で飲むよりも安いかも知れない。

過去に経験したことのない値段で、江川卓が言うところの「辞書にないコース」だった。