2019-08-21

大仏バーナイト当日

とりあえず、財布や携帯は失くさないようにスキニーパンツにした。
出来るだけ体力を温存するように、ギリギリまで全力でゴロゴロした。
他にやる事がない。頼りない。

新幹線の中で、加藤さんと連絡していたら「ひとりはヤバいね。前回も相当ヤバかったし」と心配してくれて「じゃあ僕もオルガンバー行きます。終電あたりまで様子をみて、ダメそうなら最後までいて介抱するよ」と言ってくれた。めちゃくちゃありがたい。

これで終電までに潰れた場合は助かる。ん、終電までに潰れた事あったかな。これは助からないな。


21時ちょい過ぎに渋谷に到着。加藤さんと合流してオルガンバーへ。

チャーベさんが早い時間から駆けつけてくれた。俺が帰るまでの金は任せろ、今日は神谷のタニマチだ。と言ってくれたので、ありがたいのですが、出来れば飲まずに無事に帰る事しか頭にないですと、この環境がいかに危険かを説明した。ウエンツも来てくれて、神谷〜金は任せろと言ってくれたので、出来れば飲まずに無事にかえ…

心配して付き添ってくれていた加藤さんが「なんか飲む?」と言ってくれたので、出来れば飲まずに無事にかえ…… タニマチだらけじゃないか。

ヨウとヨネが「応援に来ました」と来てくれたので、その応援は優勝を望むのか無事に帰る事を望むのかと聞いたら、そこまでは考えていなかったようなので、出来れば飲まずに無事にかえ…

とりあえず、誰か来るたびにスピリタスを2杯連続で飲んで、それ以外は一切飲まなかった。あ。このペースであとは1時間に一回くらいスピリタスを2杯飲んだらそんなにダメージもなく、それなりの点数も出せて、優勝もせずに帰れるんじゃないかという気がしてきた。

22歳の「口ばってんこちゃん」と言う女の子が、来て早々にズブロッカ20杯連続した。点数的にはスピリタスの方がいいのだが「こっちの方が飲みやすい」と言っていた。優勝を狙える飲み方ではないが、カッコいいじゃないか。華があるじゃないか。思わず動画を撮ってしまった。

このパーティー怖くないの?と聞いたら、前回集計係をしていて、倒れてる人を見た。と言うので、それは俺だ。と伝えた。

大仏くんがニヤニヤと「神谷さん〜。追いつかれちゃいましたね〜」と言ってきたので、頑張りたくないし、今から土下座しても良いから次回は呼ばないで!と懇願したが「まあまあまあ」と言われた。なんで伝わらない。


このあたりから、いま何時で、僕は何点で、誰が頑張ってるのか。いろいろ分からなくなった。大仏くんから逃げないと、という忘れちゃいけない事も忘れた。



何が起こったのか分からない。誰と会ったのかも分からない。どれだけ時間が経ったのかも分からないが、僕は電車に乗っていて、何駅かも分からないところで駅員さんに「新幹線の切符ください」と言っているところで意識が戻って、駅員さんに「ここは新幹線走ってません。東京か品川に行ってください」と言われた。

何駅かも分からないまま、また僕は意識が朦朧として、次に意識が戻った時には新幹線に乗っていたし、ちゃんと名古屋までの切符を買っていたし、あと30分で名古屋じゃんというベストタイミングだった。

帰れた!何が起こったのかはもう知りたくもない!帰れたからもう良い!
あ、裸足じゃん!え、いつから!

と思っていたら、ケイジョウ君から連絡が来てて「オルガンバーに靴あるよ」と言われた。そこから裸足なんだ。まあ電車に乗る時に脱ぐわけないわな。

「山口百恵みたいな感じで、俺、スニーカーを置いたから、もう引退させて下さい」
と返信した。


今回はスニーカーだったか。その可能性も想定して、靴ヒモをギュッとしておいたんだけどなあ。でも軽傷だなあ。助かったと言えるレベルだなあと幸せを感じながらペタペタと帰宅した。


鼻を怪我していたが、もう気にしない。順位も点数も気にしない。

僕はスニーカーを置いたのだ。